ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「それはやばいね」
真凛が翼咲に賛同する。
「だろ?しかも高校の時からホストとして働かされたくせに、親代わりの人のことめっちゃ慕っててさ。そのことがあるからか、全然俺達と暮らそうとしてくれなくて。もう本当に大変だった」
翼にぃが眉間に皺を寄せて言う。
「確かに、紅にぃはだいぶ頑固だったよね」
「お前もな、妖斗」
翼にぃが俺の肩を掴む。
「お前は、一人でなんでもかんでも決めすぎ!! 兄さんの治療費が足りないからって、一人で働きになんか行くな!! 翔太さん達から金借りるとか、方法はいくらでもあるんだから!」
「……ごめんなさい」
翼にぃが怒鳴ってきたのにびひって、小さい声でいう。
「翼咲、弟想いなのはいいことだけど……今ので、教室にいる奴ら全員にお前と妖斗の関係性バレたぞ」
朔が呆れ半分に言う。
「「「ええー!妖斗くんって、白龍のメンバーだったの?」」」
教室にいる女子が一斉に騒ぐ。
え、なんで今ので白龍に入ってることがわかったんだ?
翼にぃは俺が弟のことしか明かしてないのに。
「翼咲と妖斗は苗字が違うから、本当の兄弟じゃないのは明白だろ。そしたら義理の弟ってことじゃん。で、兄の翼咲が白龍に入っているとなると、弟も白龍のメンバーじゃね?と」
俺の疑問を察して、朔は解説をする。
「そっか。ありがと、朔」
「どーいたしまして」
笑って、朔は頷いた。
「ああ、俺は白龍のメンバーだよ」
『嘘!』『信じられない!』などと言って、きゃあきゃあ騒いでる女子達に言う。
「ね、ねぇ妖斗くん、光輝総長って、彼女いる?」
「え、いるけど」
なんで急に光にぃの話題になるんだ?
「それってもしかして、聖里奈様?」
聖里奈様??
「ああ、聖里奈だよ」
「やっぱりあの二人付き合ってたんだ! めっちゃ仲良いもんね!」
「あの二人は、本当に王子様とお姫様って感じがするよね!!」
「確かにお似合いだけど、私はショック。総長のこと、好きだったのに」
「私も好きだった、残念」
そんなことを言って、女子達は騒ぐ。
女子達は、ちょうど半数ずつくらいで、聖里奈と光にぃを祝福する方と、光にぃに彼女ができたのを悲しむ方で分かれていた。
クラスの女子の半数が、光にぃのことを好きだったのか。
「光にぃって、こんなモテるんだね」
「そりゃあ、白龍の総長だからなぁ。時々、総長で兄貴やってるわりに、ガキみたいに子供っぽくなるけど」
笑いながら、翼にぃは言う。