ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
聞きたくない~光輝side。
不完全な幸せのカタチ。
【光輝side】
「くっそ!!」
家に帰ると、俺は部屋のドアを蹴って、そうボヤいた。
「なんでこんなことになってんだよ……」
——プルルルル!
「はい」
空我先生から電話が来て、俺は慌てて携帯を取り出し、応じた。
《よお、光輝。……これからなんの話するかは分かってるよな》
「……はい」
《光輝、あいつに裏総長をやらせてやれ》
俺は目を見開き、声が枯れる勢いで必死で叫んだ。
「嫌ですよ! 今度兄さんが怪我でもしたら、妖斗がどうなると思ってるんですか!
それに、俺に素直になれって言ったのは、……先生じゃないですか」
《そうだな。そう言った。……でもな光輝、素直になるのはいいが、時と場合は考えて欲しいんだ》
低い声で、そう先生は告げた。
「……どういう意味ですか?」
《光輝、落ち着いて聞いてくれ。……暁斗はきっと、あと十年も生きられない》