ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
その矢先、妖斗が物凄い勢いで家を出ようとした。
「妖斗っ!? ……落ち着け、今光輝が先生に電話かけてるから」
「でっ、でも、もし病院にいなくて、どっかで倒れてたりしたら……っ!!」
慌てて翼咲が宥めようとするが、妖斗はそれでも、震えながら、鬼気迫る表情でそう言葉をつむいだ。
「ちっ」
気が気じゃない妖斗を見て気がかりに思い、俺は妖斗たちに聞こえないよう小さく舌打ちをして、電話が繋がるのを今か今かと待った。
《光輝、俺だ。今から会えるか? 折り入って話がしたい》
やっとの思いで電話が繋がったと思ったら、なんと出たのは空我先生ではなく、兄さんだった。
「……わかった。病院の何処だ?」
《……屋上にいる》
「了解。……妖斗、兄さんは病院にいる。迎えに行ってくるから、ちゃんと待ってられるな?」
「うん……」
妖斗の頭を撫でると、俺は急いで病院に向かった。