ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「兄さん、我慢しなくていい。やりたいならやりたいでいい。本当は、兄さんはどうしたいんだよ。本音をいえ」
俺がそう言うと、兄さんは目を見開いた後、また笑った。
「そんなん決ってんじゃん。……すげーやりたいよ。でも、死んだら何もかも終わりだろ?」
そう言って、兄さんは涙を流しながら笑った。
「兄さん……」
「だから頼む、光輝。妖斗を説得してやってくれ」
真剣な顔をして、兄さんは俺に深いお辞儀をしてきた。
「……分かった」
意を決して、俺はそれに頷いた。
――悔いがないようにしろなんて、綺麗事だ。きっと喧嘩をしてもしなくても、兄さんが一つも悔いが残らないように後の10年を生きるなんて無理だ。
それでも、俺は……いや、俺達は、兄さんが幸せだったって言って死ねるように、努力してみせるから……。