ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~


「しけた面してんなよ光輝ー。帰ろうぜ?」

「あっ、……ああ」


 ほんの少し気分が沈んでいた俺の肩を叩いて、兄さんは笑った。


「兄さん……「大丈夫だから。喧嘩しなくても、生きる意味くらい見つけてやるよ。てか、……お前が見つけられるように手助けしてくれよ、光輝」


「ああ、当然だ」


 俺は肩に置かれた兄さんの腕をそっと払い、その細い手を、ギュッと掴んだ。


「光輝……」


 驚いたのか、兄さんは目を見開き、俺を呼んだ。俺はそんな兄さんの手をそのままを引っ張り、その温もりを確かめるように、体をぎゅっと抱きしめた。

 まだ、温かい。そのことにほっとしてしまうのが、どうしようもなく悲しかった。


 兄さんは、後10年しか生きられない。それでも、……いや、そうであるからこそ、――するよ、何だって。明日も兄さんが俺達の家族として生きてくれるなら。

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