ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「ん? どうした光輝?」
「……ここじゃなんだから、俺の部屋で」
そう言い、俺は翼咲と一緒に玄関を通り過ぎて、部屋に向かった。
「なんなんだよ? 光輝」
「実はな……」
俺は翼咲を部屋のベッドに座らせると、兄さんのことをゆっくりと語り始めた。
「……は? 兄さんが、死……」
「騒いだら妖斗達に聞こえるだろ!!」
隣にいた俺は、“死ぬ”と叫びかけた翼咲の口を、慌てて塞いだ。
「……悪い。でも、本当……なのか?」
翼咲はハッとしたように我に返って不器用に謝罪してきた後、目を見開いて言った。
「嘘だったら、こんなことお前に相談しないだろ。
……もちろん、10年で死ぬなんて、ただの憶測だ。何か命を落とす病気にかかってる訳でもないしな。
……でも、少なくとももう、だからって何十年も生きれる体じゃないんだ」
「………そう、か」
壁を見つめながら、翼咲は生気のない、力が抜けたような返事をした。