ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「……最近、桃花も元気ないんだよ。別に先生のこと信頼してないわけじゃないし、桃花が死ぬなんてことないと思ってるけどさ……兄さんまで、そんなことになってたんだな。
俺達家族は、どんどん離れて……」
「はっ、離れねぇから!!……大丈夫だよ、たぶん」
沈んだ声でそういった翼咲の肩を叩いて、俺は言った。
直後、翼咲が、横から物凄い勢いで俺を押し倒してきた。
「たぶんってなんだよ!? 一番心配なのはお前だよバカ光輝!!
お前、俺らのことまだ信用しきれてないだろ!!いつか、聖理奈とも離れる気だろ!!」
「なっ、何言ってんだよ、翼咲……」
ドキッとした。俺の本心が、何もかも見透かされている気がして。
「俺達、何年一緒にいると思ってる? もう5年だぞ?
なのに、なんで足がちゃんと治ってないことも言わねぇんだよっ!? 隠してるつもりなんだろうけどなぁ、バレバレなんだよ!!
……いい加減、少しは頼れよ。お前まで離れたら、生きてけねぇよ……」
俺の胸に顔を埋めて、翼咲は言った。翼咲の涙が、俺の部屋着をジワジワと濡らした。