ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
――コンコン。
「光にぃ、翼にぃ、入っていいー?」
ドア越しに妖斗の声を聞くと、慌てて翼咲は俺から離れた。そのまま、翼咲は部屋のドアを開けに行った。
「おう、妖斗。兄さんはどうした?」
「もう夕方だし、お風呂入ってもらってるよー。光にぃ、今日のご飯は?」
笑いながら、妖斗は尋ねてくる。
「ん、これから作る。……でも妖斗、その前に少しいいか?」
拾った頃と比べると、妖斗は兄さんが起きたことや、売色をやめたことのおかげか随分笑うことが増えるようになってて、これから言うことでその笑顔がまた壊れてしまうのかと思うと、思わず心が傷んだ。
「うん? どうしたの?」
――それでも、言わなくちゃいけないよな。
「あのな妖斗、兄さんが総長を辞めた……妖斗っ!?」
俺がそう言いかけた直後、妖斗がすぐさま部屋を出ようとした。
「兄さんが!! ……兄さんが、辞めたいって言ったんだ」
そんな妖斗の腕を掴み、翼咲は叫んだ。
その瞬間、妖斗が涙を流し始めた。
「なっ、なんで? だって、兄さんはずっと……」