ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~


「そっ、そんなことないだろ。俺達だっているんだし、それに、別に兄さんが元気じゃないわけじゃ……」


「――光にぃ。俺、兄さんのことなら何でも分かるつもりだよ。……やらないって言う時は、大抵我慢しなきゃいけないどうしようもない事情がある時だ。父さんや母さんが殺された時も、兄さんは叫ぶのをずっと我慢してた。……もう、我慢させるのは嫌なんだ」


 待ってくれ……。――違うだろ? 我慢させるのが嫌だからって、家を出る必要性が何処にある?


 今引き止めなきゃ、今度はお前が我慢する羽目になるんじゃないのか。


 お前だって、散々普通に生きることを我慢してきたんじゃないのか?


 それなのに、お前はまた、我慢しようとしてるのか?


「……あっ、妖斗、一人で抱え込もうとするな。俺達を頼って「――光にぃ、人のこと言えない癖に、こんな時だけ兄貴ヅラしないでよ。……俺や翼にぃのことを一番信頼してないのは、光にぃでしょ?」


 図星だった。

 妖斗は、俺が言葉を失ったのを見て悲しそうに笑うと、ベランダに出た。

「「妖斗っ!!」」


 そして、俺達が慌ててベランダに行ったその時には、既に、そこに、妖斗の姿はなかった。



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