ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「……ククッ、いいなぁ、その目。お前ガキのくせに、いい目してるよな。半分人生諦めてるみたいな目。そういう目してる奴は、嫌いじゃない」
「……そう、ですか」
「ああ。若くて愛想いい奴ほど、直ぐにサボるからな。笑顔の裏で何考えてるか分かったんもんじゃないんだよ。――ほら、着いたぞ。」
マンションの202号室のドアを見ながら、美桜さんは言った。
――ガチャ。
美桜さんがドアを開けて、中に入る。
俺は美桜さんを追って中に入った。
美桜さんは靴を脱ぐと、廊下の右側にある二つのドアと、左側にあるドアを素通りして、その先にあるダイニングルームで足を止めた。俺は慌てて靴を脱いで、美桜さんの隣に行った。
ダイニングには、白いキッチンと白い食器棚と黒の冷蔵庫と黒のゴミ箱しかなかった。
「……ここに、紅葉さんも住んでるんですよね?」
「そー。お前と紅葉の部屋はさっき通った廊下の右側にあったやつだけど、とりあえず後で案内するわ。今は飯作って」
「……はい」