ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「……美桜さん」
「言いたいことは分かる。でもまぁ……俺じゃなくて、本人に聞け。もちろん、もうちょっと仲良くなってからな?」
美桜さんはウインクをして、そう言った。
「……はい」
「ま、10代でホストやってる時点で、普通の環境にはいないからな。――お前だってそうだろ?」
頬杖をついて、そう得意げに美桜さんは言った。
「……そう、ですね」
「トアー、来て」
廊下の左側にあったドアの方から、紅葉さんの声が聞こえてきた。
どうやら、俺と美桜さんが話してる間に着替えを用意して、左の部屋に移動したらしい。
「ほら、呼ばれてんぞ。飯は残しといてやるから、早く行け」
「……はい」
――コンコン。
俺はダイニングを後にして、ノックをして、廊下の左側にあった部屋のドアを開けた。
ドアを開けると右側にお風呂場があって、左側に洗面所が拡がっていた。
「紅葉さん、どうかしたんですか?」
「トア、これやる。――ここから逃げろ、今すぐに」
洗面所にいた紅葉さんは、スボンのポケットからカードのようなものを取り出すと、真剣な顔をして言った。