ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「あっ、妖斗、お前何してんの?」
倒れた美桜さんを見ながら、震えた声で紅葉さんは言った。
「え、……だっ、だって、紅葉さんが倒れるかもって思って……」
「ハハッ。お前、案外やるじゃん?」
口を手で覆い、紅葉さんは声を上げて笑った。
「紅葉さんって、そんな笑い方もするんですね」
ホストで見た時の演技の笑いとは全然ちがくて、すごく子供っぽい笑い方に見えた。
「まぁ、少しくらいはな……いった!!??」
その時、美桜さんが、紅葉さんの右足の膝にカッターの刃を刺した。
……油断していた。さっきので、俺も紅葉さんも、美桜さんが完全に気絶したと思い込んでいた。
そんなことなかったのに。
痛みを堪えきれず、紅葉さんは床に座り込んだ。
「みっ、美桜……「く…れは、どうせてめぇに行くとこなんてねぇんだ。俺を捨てて一人で死ぬってんなら、今ここで死ね。一緒に地獄に堕ちろ」
「いっ、ああああっ!!」
美桜さんは膝に刺していたカッターを両手で持って、カッター無理矢理紅葉さんの足首までおろした。