ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~


「暁斗すっかり髪伸びたねー。どうせなら今洗面所で切っちゃえば?今日は聖里奈もいるんだし、光輝と共同作業でさ!!」

 ついに膝まで伸びてしまった俺の髪を一瞥して、真凜は笑った。

「「……それ、悪くないな」」

 俺の髪を見ながら、光輝と翼咲は声を揃えてウンウンと頷いた。


「……いいと思う」

続けて、妖斗も控えめに頷く。


「聖里奈は?」


「いーんじゃない?こんなに人がいたら片付けもすぐに終わりそうだし。……でも、光輝はあくまでスタイリスト志望でしょ? それなら仕上げは私がやるから。暁斗もそれでいいわよね?」


 そう言って、聖里奈は得意げに、穏やかなほほ笑みを浮かべた。

「……ああ、いいよ」


「りょーかい。行こうよ兄さん」

 満足そうに笑った光輝に手を引かれ、俺は玄関を抜けたすぐ先にある洗面所まで案内された。





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