ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「あらあら、誰かと思えば、白龍の皆さんじゃない。こんな夜中に、一体どうしたの?」
挑発するような言い方が鼻についた。
「妖斗が行く場所の心当たりを教えろ。お前から逃げようとしてる時に妖斗が行くとこだよ」
「アハハ!!何、あの子に逃げられちゃったの?」
手を叩いて、俺達を挑発するみたいに、利亜は笑った。
「うるせぇよ!!早く答えろ!」
利亜がいる部屋の目の前にあるガラスを叩いて、俺は言った。
「……そうね。あの子が頼る宛なんて、私以外じゃ、せいぜい一つしかないわ。――麗羅のところよ」
「麗羅?」
ニヤッと口角を上げて、得意げに利亜は言った。
「ええ。貴方もよく知ってるでしょう?妖斗にシンナーを吸わせた、あのキャバのママのことは」
「……そいつの所に妖斗はいるのか?」
「さぁ?知らないわ。でも、そこが一番いる可能性が高いんじゃないかしら。……あるいは、彼女が働き先を紹介した可能性も、あるかもしれないわね。
ま、せいぜい頑張りなさいな、おにーさん」
そんなことを言ってから、利亜は立ち上がり、踵を返そうとした。
「あ、そうそう。……お義兄さん、あの子は絶対、自分からは帰って来ないわよ。だって、――どうせ今も昔も、あの子に光のある世界なんて、似合わないんだから」
だが、最後に何かを言い残したかのように振り返り、そんなことを言った。
「――いつか殺すぞ、お前」
利亜を修羅の形相で睨みつけて、俺は言った。
「善人すぎるあなたに殺せるものなら、ね?」
利亜はそう得意げに返し、面会室を去っていった。