ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
昔から決まっている~妖斗side。
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「おい妖斗!いつまで逃げてんだァ!」
数メートル後ろから、美桜さんの声が聞こえる。
その声が恐ろしい悪魔のような声に聞こえたのは、きっと気の所為じゃない。
ああもう、最悪だ。
まさかつけられるなんて考えてもいなかった。
どうやら、俺と紅葉さんが裏切ってから、LOVEの社員は二手に分かれたらしい。
俺と紅葉さんの味方につく側と、美桜さんと社長の味方につく側とで。
味方がいるのは心強いが、後者の方が多いのは圧倒的だった。
このまま走って逃げててもいずれ追いつかれる。……電車に乗ったりしないと、マズいかもしれない。
でも、電車だと乗られたら終わりだ。……それなら、タクシーしかない。
病院の最寄りの駅に着いたところで、俺はタクシーに乗った。
「どこまでいきますか?」
「―――までで」
ホストの人達はバイクとかを持ってる人がいないから、タクシーに乗ったらこっちの勝ちだったのが吉兆だった。
今も昔も、俺が現実が嫌になったらいくところなんて、一つしかない。