ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「……夜中に誰かの足音で目が覚めたら、隣に妖斗がいなかったから階段降りて探しに行ったんだ。そしたらどこにもいなくて。それどころか、光輝も翼咲もいなかったから、めっちゃ焦ったよ。……まぁそのまま家で待っててもよかったんだけどさ、お前になんかあったらと思うと怖くてさ」
俺を見ながら、頬をかいて兄さんは言う。
「……なんで、ここに来ると思ったの」
「んー? だって、ここは俺達の親がいる場所だからな。……人肌恋しくなったら来て当然だろ」
口角を上げて、そう兄さんは言った。
「しかし、さすがに長い間歩くと疲れるな……もうあるけねぇや」
その言葉を聞き、俺は慌てて兄さんの前に回り込んだ。
「どっ、どんくらい歩いてたの?」
「んー、30分くらい? それからやっと桐谷にいるかもって思って、タクシーでここまで来た。本当に体力無さすきだよなー」
「にっ、兄さん」
「……待っててよかった」
そう言って、兄さんはにへっと笑った。