ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
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朝目が覚めたらいつも、地獄にいる気がした。
翔太さんに拾われるまでは。
紅葉さんは今もそんな風に思っているのだうか。
それを変えたいと思うのは、ただのわがままですか……?
翌日の朝一、俺はLOVEの隣のマンションに行った。
俺は202号室のドアノブを回してドアを開けて、中に入った。
鍵は空いていた。
廊下の右側の手前にある部屋にいた紅葉さんは、ベッドの上で上半身を起こして、窓の景色を見ていた。
窓からは、朝日が差し込んでいた。
「紅葉さん」
「……光輝」
紅葉さんが俺をみた。
「迎えに来ました」
「……本当に来たんだな」
そういい、 紅葉さんは目じりを下げて笑った。
「びっくりした。マジで来ると思ってなかったから」
「来てって言ったのは紅葉さんじゃないですか」
投げやりに言う。
「あぁ。でも、今まで俺の望み通りにしてくれたのなんて、美桜だけだから」
紅葉さんはそう言い、ゆっくりと口角を上げた。まだ、目尻は下がっていた。