ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「……顔、上げてください。言われなくてもそんなことしませんよ。妖斗も無事帰ってきたことですし」
「そうか!ならよかった!」
そう言って、紅葉さんは真底嬉しそうに笑った。
「 ……なんでそんな風にいうんですか。たかが親代わりでしょう」
なんでそんな庇うんだ。
「……ああ、そうだな。だかが親代わりだ。それに、未成年の子供を無断で育てるなんて、完全に犯罪だ。何より、ホストとして雇うなんて倫理観が狂いすぎている」
「そこまでわかってて、なんで庇うんですか」
考えが、全く理解できなかった。
「……たぶん、美桜の手をとらない選択肢も、ホストクラブで美桜が働いてる間に逃げる選択肢もあったんだ。でも、俺にはそれをしたところで生きる方法がなかったから。あいつに生きる方法を教えてもらえなかったら、生きれなかったから」
憂いを帯びた雰囲気で、紅葉さんは言った。