ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「はぁ……」
ため息を吐いて、俺は空を見上げた。
満月は、俺の想いなんて知らずに、能天気に世界を明るく照らしていた。
「何がしたいんだろうな、俺は」
どうしたいかなんて、自分が一番よく分からなかった。
約束は叶えたいと思う。
叶えないと、妖斗はきっと泣いてしまう。もうあいつが俺のせいで泣くのは見たくない。
それだけは、絶対に嫌だ。
でも俺は……っ。
寝たきりだったせいで頭も良くないし、大して体力もない俺は、ここにいたって、きっといる意味もない。
力が欲しい。
10年前みたいに、妖斗を笑って守れるようになりたい……。
たとえそれが、永遠に無理だとしても、
俺はもっと丈夫になって、妖斗に心配かけないで生きていけるようになりたい。
妖斗が頼れる兄貴で、いたいんだよ……。