ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「……そう思うなら、ちゃんとお別れしてきてください。でないと、きっと後悔しますよ」
拳を握りしめて、俺は言った。
「自分から逃げたのに? そんなことしたら、喧嘩にしかならねぇだろ」
「…紅葉さんのことちゃんと思ってたなら、話くらい聞いてくれると思います。親なんでしょう」
後悔して欲しくなかった。それになにより、紅葉さんが今にも泣きそうな顔をしていたから。会いに行った方がいい気がしたんだ。
「……どうなんだろうな。あいつは、俺のこと奴隷ぐらいにしか思ってねぇんじゃないかな」
「本当に奴隷だと思ってたら、きっと紅葉さんは今頃そんな風になってないですよ。
……紅葉さんが決めてください。このまま俺達と一緒に行くか、その前に一言でも話に行くか」
少し黙った後、紅葉さんは口を開く。
「……光輝、一緒に病室の前まで来てくれないか。ちゃんと話するから」