ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~

「……ここにいていいんですか」

「ああ、いいよ。言っとくけど、働いてもらうからにはビシバシやるから。ちゃんとやれよ。でないと追い出す」

「はい!」

美桜の声に、俺は元気よく頷いた。そうしないと本当に追い出されると思ったから。――もう捨てられたくない。

こんなの非道徳だ。そう思っていても、俺にはこの人のそばしか生きる場所がなかった。

**

「ゴホッ、ゴホっ!」

仕事の休憩時間に煙草を吸っていると、俺は思わず煙をすって咳き込んだ。煙草は好きじゃない。父親を思い出すから。それでも吸うのは、煙草を吸ってる俺が好きだと言った初恋の子のせいだ。

父親の真似をして出来心で吸っただけなのに、それをかっこいいと言ったかわいい女の子――紗奈。

俺の初恋で、俺の人生を壊した子だ。

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