A

「お前、その制服うちの学校の」
それだけ言って相馬は売り場に行ってビールを戻した。
そしてまたこちらに向かってきて僕の腕の中のお菓子を取り上げ、レジに並んだ。
僕が止める間もなくお会計を済ませてレジ袋を僕に差し出した。
「さっきのはふたりだけの秘密な」
僕は耳元で囁かれたその言葉に顔を赤くしてコンビニから出ていく相馬をボーッと見ていた。
やっと我に返ってコンビニから出ると表に見慣れた顔が
「友!どうしたの?」
「今、良李さ相馬といたよね?」
何故かいけない気持ちになった僕はすぐに返事が出来なかった。
「相馬のこと好きなんでしょ?」
遠くの空を見ながら言った友の背中が何故か切なく見えた。
2人で家まで歩いて帰った。

友に話したいことがあると誘われ霧島家に寄ることにした。
小さい頃から出入りしていた家。 懐かしいな〜
思い出に浸りながら玄関のドアをしめたその時だった
「んっ………ゆっっう
…………はぁはぁ何いきなり。どうしたの?友」
「ごめん。今日は帰ってくれ」
いきなりのキスに僕は頭の中が真っ白になった。

その日から友との関係がギクシャクし始めた。
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