甘いものには毒を
佐渡有希、稲畑拓海
「拓海、早くー!!」
元気よくそう呼ぶ女性の声に、少し恥ずかしさを表に出し、後をついていく男の姿があった。
「有希、声もう少し小さくできないのか」
少しぐぐもってそういう拓海に対し、全く気にしない様子でにこやかに答える。
「だって、ここのところ勉強、勉強で全く相手にしてくれなかったじゃない。
久しぶりのお出かけ楽しいんだもん」
そう弾む声で答える有希はどんどんと先に進んでいく。
付き合って三年目の二人には初々しさはもうなく、慣れからきているラブラブさでお互い側にいればいいという関係になっているのをなんとか付き合いたての頃に戻したく、有希が提案したデートコースを歩んでいた。
「そんな急ぐことないだろ?
時間はまだまだあるんだから」
夕方、人が行き来している中、何故か早足で歩く有希は何かを焦っているようで追いつくのにも一苦労ある。
陸上部の彼女は走るのが早いだけあって歩くのも早いらしく合わせるのに足がもつれてしまわないか慎重になるが、そんなこときにせずずんずんと先を行く。
「もう少しゆっくり歩いてくれないか?
な、有希」
「だってもう時間ないから」
そうこぼすと歩調はゆっくりになることなくどんどんと人をかき分けて行く。
元気よくそう呼ぶ女性の声に、少し恥ずかしさを表に出し、後をついていく男の姿があった。
「有希、声もう少し小さくできないのか」
少しぐぐもってそういう拓海に対し、全く気にしない様子でにこやかに答える。
「だって、ここのところ勉強、勉強で全く相手にしてくれなかったじゃない。
久しぶりのお出かけ楽しいんだもん」
そう弾む声で答える有希はどんどんと先に進んでいく。
付き合って三年目の二人には初々しさはもうなく、慣れからきているラブラブさでお互い側にいればいいという関係になっているのをなんとか付き合いたての頃に戻したく、有希が提案したデートコースを歩んでいた。
「そんな急ぐことないだろ?
時間はまだまだあるんだから」
夕方、人が行き来している中、何故か早足で歩く有希は何かを焦っているようで追いつくのにも一苦労ある。
陸上部の彼女は走るのが早いだけあって歩くのも早いらしく合わせるのに足がもつれてしまわないか慎重になるが、そんなこときにせずずんずんと先を行く。
「もう少しゆっくり歩いてくれないか?
な、有希」
「だってもう時間ないから」
そうこぼすと歩調はゆっくりになることなくどんどんと人をかき分けて行く。