そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「そうそう、最初に案内してくれたあの化粧の濃い秘書さん」

真知さんが急に私に顔を近づけて声を潜めた。

「あ、化粧濃いって、とてもきれいな人でしたよね」

「どうも、GMのこと狙ってるらしいわよ。1年前に専属秘書になったらしいんだけど、当然のごとく二人で過ごす時間が長いわけで。彼女がGMにしな垂れかかって色仕掛け目線で話してるところ何人も目撃してるんだから」

「はは、そうなんですか」

なんだかよくわからないけれど、自分の気持ちがざわついていた。

きっと嫉妬とはまた違う感情。

「GMも仕事の鬼で全く女性に興味がないように見えてるけど、でも男だからねぇ。男って大抵ああいう美人の色仕掛けに弱い生き物だから」

真知さんは眉間に皺を寄せて口を尖らせた。

「あれほどのGMには、女性陣皆が納得できるような素敵な女性と一緒になってもらいたいのよねぇ。あの秘書はダメ。女の敵だわ」

真知さんの言う事はわからないようでわかるような気がして思わず笑ってしまう。

「とりあえず座談会もよろしくね。とにかく忌憚ない利用者の意見も聞きたいってGM言ってたから考えといて」

「考えといてってまたそんな投げやりなぁ」

そう言いながら、またあのGMに会えるんだと思うと心が沸き立つ自分がいた。

まるで憧れのスターに会えるようなそんな感覚?

あのGMの笑った顔、どんなだろう。

見た目は触れることすら恐いくらいクールだけれど、あの切れ長の目の奥のにはなんとなく、あったかい心があるような感じがしていた。

そんなこと、GMも私みたいな人間に言われたくないでしょうけどね。

GMにふさわしい女性はきっと彼を笑顔に出来るような女性かもしれない。

そんなことを考えながら顔にかかった髪を掻き上げると、軽く息を吐きソファから立ち上がる。

「そろそろ本社に戻らないと」

「あ、今日はお付き合いありがとう!友梨ちゃん、またよろしくね」

自分のバッグを抱えると、手を振る真知さんに頭を下げ階段を駆け下りていった。



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