そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
12.真実
12.真実
翌朝の東條さんの様子を見ていたら、あのキスが果たして現実のものだったのかどうかわからなくなる。
熱に浮かされて見た夢だったのかもしれない。
だって、朝になりようやく体が軽くなった私がリビングに行くと、彼はいつもと変わらないクールな表情で「おはよう」と言っただけだったから。
私がどんなにドキドキしてリビングに向かったかなんてきっとわかるはずもないだろう。
あまりにも変わらない彼の様子に、ショックを通り越してあきれている自分がいたくらい。
でも、一方で変わらずに接してくれた東條さんにホッとしていたりもする。
まだしばらくは彼にお世話になるし、昨晩は色んなことがありすぎて、まだ心の整理が全然出来ていなかったから。
「おはようございます」
「おはよう。気分はどうだ?」
彼は新聞に目をやりながら尋ねた。
「熱も下がったみたいだし、今日は何とか仕事にも行けそうです」
「そうか。無理はするなよ」
「はい」
いつもより、少しだけ優しい言葉をかけてくれたような気もする。
そんなささやかな事ですら、信じられないくらいに気持ちが浮き立った。
コーヒーカップを傾ける彼の切れ長の目を見て、昨晩の熱い抱擁と唇の柔らかい感触が蘇って、顔が火照ってくる。
あんな潤んだ瞳の東條さんは見たことがないくらい色気が溢れていて、よく小説なんかで書かれている『身も心もとろける』とはこういうんだろうか。
東條さんのきれいな横顔を盗み見ながら、彼の斜め前の席に座った。
「スクランブルエッグが少し残ってるけど食べる?」
ようやく新聞をたたみ顔を上げた東條さんが私に尋ねる。
翌朝の東條さんの様子を見ていたら、あのキスが果たして現実のものだったのかどうかわからなくなる。
熱に浮かされて見た夢だったのかもしれない。
だって、朝になりようやく体が軽くなった私がリビングに行くと、彼はいつもと変わらないクールな表情で「おはよう」と言っただけだったから。
私がどんなにドキドキしてリビングに向かったかなんてきっとわかるはずもないだろう。
あまりにも変わらない彼の様子に、ショックを通り越してあきれている自分がいたくらい。
でも、一方で変わらずに接してくれた東條さんにホッとしていたりもする。
まだしばらくは彼にお世話になるし、昨晩は色んなことがありすぎて、まだ心の整理が全然出来ていなかったから。
「おはようございます」
「おはよう。気分はどうだ?」
彼は新聞に目をやりながら尋ねた。
「熱も下がったみたいだし、今日は何とか仕事にも行けそうです」
「そうか。無理はするなよ」
「はい」
いつもより、少しだけ優しい言葉をかけてくれたような気もする。
そんなささやかな事ですら、信じられないくらいに気持ちが浮き立った。
コーヒーカップを傾ける彼の切れ長の目を見て、昨晩の熱い抱擁と唇の柔らかい感触が蘇って、顔が火照ってくる。
あんな潤んだ瞳の東條さんは見たことがないくらい色気が溢れていて、よく小説なんかで書かれている『身も心もとろける』とはこういうんだろうか。
東條さんのきれいな横顔を盗み見ながら、彼の斜め前の席に座った。
「スクランブルエッグが少し残ってるけど食べる?」
ようやく新聞をたたみ顔を上げた東條さんが私に尋ねる。