そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
それと同時に膨らむ疑念と不安。

『鮮魚いわくら』の放火事件は、結局世界でも最大大手商社の社員がしたということでその圧力でマスコミにはねじ伏せたと聞いていた。

そのことも、祖父はひどく怒っていたっけ。

大手だからって何でも好き放題しやがってって。

だけど、母だけはある意味マスコミに公表されなかったことで世間の好奇の目にさらされることを避けられてよかったと言っていた。

東條さんは放火の後、後始末が大変だったらしいと柳本さんも言ってたけれど、そのねじ伏せたことにも関与していたのかもしれない。

店にとっては東條さんは未だに許すことのできない東條物産の御曹司。

私がもしそんな彼に今すごくお世話になっていて、好きになってしまっただなんてわかったらどうなっちゃうんだろう。

祖父にはすぐに帰ってこい!ってどやされるかもしれないな。

だけど、東條さんを見ていたら、とても祖父が恨むようなひどい人には見えない。

悪いのは放火をした人であって、東條物産でも東條さんでもないんだから・・・・・・。

パソコンを立ち上げながらそんなことを考えていたら、こめかみがズキンと痛んだ。

今は病み上がりだしあまり難しいことを考えるのは辞めよう。

スケジュール帳を広げて今日の予定を確認すると、「あ!」と思い出す。

今日は柳本さんと発表会の最終打ち合わせだった。

メールの翻訳も溜まってるし、今日は早めにハピーオフィスに行って午後からの打ち合わせに備えよう。

松原マネージャーに今日の予定の了解をもらうと、パソコンを閉じてすぐにハピーオフィスに向かった。

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