そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「それは教えられない」

「どうしてですか?」

私のことなのに、私の知らないところで解決していくことに違和感を覚える。

例え、それが私を傷付けることだったとしても、自分は知る義務があると思っていた。

「もしご存知なら全部教えてくれませんか?ここまで東條さんにもご迷惑おかけして、一体どうしてこんなことになってしまったのか私も知りたいんです」

彼は座ったまま前屈みになり、膝に肘をつくと顔の前で両手を組んだ。

しばらくの沈黙かあった後、東條さんは上体を起こし私に顔を向ける。

「わかった」

その目はさっきまでの険しさは消え、これ以上沈黙することを観念したような、そんなある意味あきらめに似た目だった。  

思わず抱えていた膝を床に下ろし、東條さんの方に体を向け背筋を伸ばす。

いざ聞くとなると、やっぱりそれなりの覚悟がいる。

ショックを受けるかも知れない事実が隠れているような気がしていた。

「山村は俺の仕事の事を全て把握し管理している有能な秘書であることには間違いない。ただ、最近の彼女は俺のプライベートまで必要以上に把握しようとしてきていた。まぁ、仕事の予定を組むのに、ある程度俺の就業後や休日の予定も知っておく必要はあるにしろ次第にそれがエスカレートしていってね。ふと、山村が俺の仕事を管理する上で困っていることがあるのかと思い、何度か食事に連れ出して話をしていた」

何度か食事に行ってたんだ。
それは仕事上、きっと当たり前のこと。そこにきっとやましい気持ちなんてないんだろう。

それなのに、私の胸がきゅっと痛む。

「東條さんは、誰にでも優しいんですね」

気付いたらうつむいたまま、そんな言葉が出ていた。




                       


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