そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「聞いた時は、あいつがそんな馬鹿なことをするなんて信じられなかった。俺の知ってる翼はそんなヘマはしない奴だったからね」
東條さんの目は腹立たしさというよりも悲しみに暮れていた。
以前、ホテルで見た何かを思い詰めてるような悲しい目。
「きっと魔が差した。これまで堪えてきたものが翼に間違った判断をさせてしまったんだ」
「魔が差した?」
「翼は君のことがずっと好きだった」
東條さんの目は、まるで自分自身の気持ちを打ち明けたみたいに潤んでいた。
「ずっと?」
「ああ。君がハピーオフィスに通い始めてからもう数年が経つだろう?いつもひたむきに仕事をしている君に翼は惹かれていた。君は知らないだろうけど、今回の仕事が岩倉さんとの初めての出会いじゃなかったんだ」
思わず両手で口を押さえた。
いつも見ていてくれたっていうの?
私があくせく仕事をしている姿を?
柳本さんの私を見つめる切ない眼差しを思い出す。
「俺も翼のその気持ちは今回の告白を受けて初めて知った。もっと早く言ってくれればいいのに、ずっと俺に言えなかったって。どうしてかな・・・・・・付き合いも長いし、誰よりもお互いのことをわかっていると思っていたのに。わかりすぎていたから、逆に何も言えなかったのかもしれないが・・・・・・」
一瞬、東條さんの言葉が詰まる。
「翼は、君を守るということよりも、次第に俺から君を引き離したいという思いが勝ってしまったと言っていた。結局、山村を使って俺から君を遠ざけようとしたことは否めないと。そして、頭を深く下げ俺に辞表を手渡した」
「今日、山村さんがここに来るって言うことも?」
「これまでの山村の動きを観察していて、俺が君を連れて帰る時間を敢えて彼女に伝えたらしい。俺が現場を押さえられるようにね」
こんな短い時間の中で、色んな思いが交錯している。
そんな思いに気付いていなかったのは私だけ。
窓に目をやると、あんなに激しく降っていた雨はいつの間にか止んでいた。
東條さんの目は腹立たしさというよりも悲しみに暮れていた。
以前、ホテルで見た何かを思い詰めてるような悲しい目。
「きっと魔が差した。これまで堪えてきたものが翼に間違った判断をさせてしまったんだ」
「魔が差した?」
「翼は君のことがずっと好きだった」
東條さんの目は、まるで自分自身の気持ちを打ち明けたみたいに潤んでいた。
「ずっと?」
「ああ。君がハピーオフィスに通い始めてからもう数年が経つだろう?いつもひたむきに仕事をしている君に翼は惹かれていた。君は知らないだろうけど、今回の仕事が岩倉さんとの初めての出会いじゃなかったんだ」
思わず両手で口を押さえた。
いつも見ていてくれたっていうの?
私があくせく仕事をしている姿を?
柳本さんの私を見つめる切ない眼差しを思い出す。
「俺も翼のその気持ちは今回の告白を受けて初めて知った。もっと早く言ってくれればいいのに、ずっと俺に言えなかったって。どうしてかな・・・・・・付き合いも長いし、誰よりもお互いのことをわかっていると思っていたのに。わかりすぎていたから、逆に何も言えなかったのかもしれないが・・・・・・」
一瞬、東條さんの言葉が詰まる。
「翼は、君を守るということよりも、次第に俺から君を引き離したいという思いが勝ってしまったと言っていた。結局、山村を使って俺から君を遠ざけようとしたことは否めないと。そして、頭を深く下げ俺に辞表を手渡した」
「今日、山村さんがここに来るって言うことも?」
「これまでの山村の動きを観察していて、俺が君を連れて帰る時間を敢えて彼女に伝えたらしい。俺が現場を押さえられるようにね」
こんな短い時間の中で、色んな思いが交錯している。
そんな思いに気付いていなかったのは私だけ。
窓に目をやると、あんなに激しく降っていた雨はいつの間にか止んでいた。