そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
最終日の今日は夕方から、ここでしか見られない土ボタルを見に行く予定になっていた。
土ボタルは、オーストラリア、ニュージーランドに生息する昆虫の幼虫で洞窟の中に生息し、青白い光を発光する特性があるらしい。
暗い洞窟の中に青白い光が満天の星のように見える様子はこの世のものとは思えないほど幻想的で美しいと東條さんから聞いていた。
本来はツアーに参加するんだけれど、東條さんの知人の現地運転手さんにあまり観光化されておらず人も来ない穴場の洞窟に案内してもらうことになっている。
運転手との待ち合わせまでまだ時間があった私達は近くの国立公園を散歩していた。
「4日間は、楽しすぎてあっという間でした」
東條さんはいつものように鼻で軽く笑うと「それは何より」と言った。
「今日が最後なんだと思ったら、すごく寂しくて、ずっとここにいたくなっちゃいます」
「いてもいいよ、俺は先に帰るけど」
意地悪な口もとで微笑む東條さんの腕を軽くにらみながら押した。
「どうしてもっと優しい言葉をかけてくれないんですか?」
「友梨は、こちらからけしかけた方がおもしろいからね」
「それは、初めて『お嬢ちゃん』って呼んだ時もそう感じていたからですか?」
イベントスペースを柳本さんに紹介してもらっている時、突然現れた東條さんから『お嬢ちゃん』と言われた日のことを懐かしく思い出す。
「ん?そうだったかな。よく覚えてない」
正面を向いたまま彼にそう言われてなんだか寂しくなった。
オーストラリアでの時間が終わるにつれて、彼との時間も終わっていくような気がしてしまうのはなぜだろう。
これから聞く彼の言葉にまだ不安な気持ちがあったから。
土ボタルは、オーストラリア、ニュージーランドに生息する昆虫の幼虫で洞窟の中に生息し、青白い光を発光する特性があるらしい。
暗い洞窟の中に青白い光が満天の星のように見える様子はこの世のものとは思えないほど幻想的で美しいと東條さんから聞いていた。
本来はツアーに参加するんだけれど、東條さんの知人の現地運転手さんにあまり観光化されておらず人も来ない穴場の洞窟に案内してもらうことになっている。
運転手との待ち合わせまでまだ時間があった私達は近くの国立公園を散歩していた。
「4日間は、楽しすぎてあっという間でした」
東條さんはいつものように鼻で軽く笑うと「それは何より」と言った。
「今日が最後なんだと思ったら、すごく寂しくて、ずっとここにいたくなっちゃいます」
「いてもいいよ、俺は先に帰るけど」
意地悪な口もとで微笑む東條さんの腕を軽くにらみながら押した。
「どうしてもっと優しい言葉をかけてくれないんですか?」
「友梨は、こちらからけしかけた方がおもしろいからね」
「それは、初めて『お嬢ちゃん』って呼んだ時もそう感じていたからですか?」
イベントスペースを柳本さんに紹介してもらっている時、突然現れた東條さんから『お嬢ちゃん』と言われた日のことを懐かしく思い出す。
「ん?そうだったかな。よく覚えてない」
正面を向いたまま彼にそう言われてなんだか寂しくなった。
オーストラリアでの時間が終わるにつれて、彼との時間も終わっていくような気がしてしまうのはなぜだろう。
これから聞く彼の言葉にまだ不安な気持ちがあったから。