そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
洞窟の中はしっとりと湿気ていて、地下水の滴が天井からポツリポツリと落ちてくる。
地面も濡れていて気を許めるとつるんと足下をすくわれそうだった。
思わず彼の腕をもう片方の手で掴み、全ての感覚を東條さんにゆだねて歩いた。
しばらく進むと、一気に洞窟の空間が広がり青白く揺らぐ光に包まれている。
無数の青白い星達が風もないのに揺らめく様子は東條さんの言うように幻想的でまるで夢の中にいるようだった。
「・・・・・・すごい」
東條さんの腕を両手でぎゅっと握り締める。
彼の顔も腕も私の体も青白く揺れている。
今が現実なのか夢なのか一瞬わからなくなった。
「友梨」
その青白い光の中で東條さんの低音が響く。
「鮮魚いわくらの放火は本当にすまなかった。謝ればいいという問題ではないということも重々承知しているが、友梨のご家族達の心労や苦痛は計り知れない。君もその苦しみをずっと抱えてここまで来たんだろう?」
「謝らないでください。私達は新しい店で再出発して今は幸せです。それに、東條さんのせいじゃないんですから」
東條さんとこの話はしたくなかった。
こんな話したら、私と東條さんを繋ぐ糸はあの鮮魚いわくらの放火だと認めざるを得なくなってしまいそうだから。
「俺が直接関与したことではなくても、俺のいた東條物産の社員が起こした事件は、社全体の責任だ。個人を責めるわけにはいかない。もっと社で個々に対するサポートや指導をしっかりしていればあんなことにはならなかったはずだ。俺もそばにいながら何もできなかったし、あいつがまさか放火をするなんて気付きもしなかった。間違いなく俺の責任でもある」
彼は私の方に顔を向けた。
青白く縁取られた彼の輪郭がぼんやりとその存在が確かにそこにいることを知らしめるようだった。
地面も濡れていて気を許めるとつるんと足下をすくわれそうだった。
思わず彼の腕をもう片方の手で掴み、全ての感覚を東條さんにゆだねて歩いた。
しばらく進むと、一気に洞窟の空間が広がり青白く揺らぐ光に包まれている。
無数の青白い星達が風もないのに揺らめく様子は東條さんの言うように幻想的でまるで夢の中にいるようだった。
「・・・・・・すごい」
東條さんの腕を両手でぎゅっと握り締める。
彼の顔も腕も私の体も青白く揺れている。
今が現実なのか夢なのか一瞬わからなくなった。
「友梨」
その青白い光の中で東條さんの低音が響く。
「鮮魚いわくらの放火は本当にすまなかった。謝ればいいという問題ではないということも重々承知しているが、友梨のご家族達の心労や苦痛は計り知れない。君もその苦しみをずっと抱えてここまで来たんだろう?」
「謝らないでください。私達は新しい店で再出発して今は幸せです。それに、東條さんのせいじゃないんですから」
東條さんとこの話はしたくなかった。
こんな話したら、私と東條さんを繋ぐ糸はあの鮮魚いわくらの放火だと認めざるを得なくなってしまいそうだから。
「俺が直接関与したことではなくても、俺のいた東條物産の社員が起こした事件は、社全体の責任だ。個人を責めるわけにはいかない。もっと社で個々に対するサポートや指導をしっかりしていればあんなことにはならなかったはずだ。俺もそばにいながら何もできなかったし、あいつがまさか放火をするなんて気付きもしなかった。間違いなく俺の責任でもある」
彼は私の方に顔を向けた。
青白く縁取られた彼の輪郭がぼんやりとその存在が確かにそこにいることを知らしめるようだった。