そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
何か変な胸騒ぎがした。

「あんまり余計なことは言わないでね。ちょっと東方新聞社の知り合いに聞いてみる」

電話を切ろうとしたら母が慌てて言葉を挟む。

『ちょっと、ちょっと!もう切っちゃうの?例の話してくれた人が来月店に来ることになってて、よかったら友梨も話聞きにきたらどうかと思って』

「例の話って?」

『ほら、あなたを火の中から助け出してくれた男性を東京で見かけたって人の話よ』

ああ、そういえば。

私が密かに恋していた、命の恩人。
でも、今はそんなことどうでもいいような気持ちになっていた。

私には東條さん以外誰も代わりはいないから。

命の恩人には、またいつか会ってお礼が言えればそれでいい。今すぐどうこうしなくちゃって話じゃない。

「来月ね。帰れたら帰るわ。あ、そうだ。今日電話したのは言いたいことがあったからなんだけど、また明日にでもあらためて電話するね」

『もう!』

電話の向こうで私が焦って切ろうとしている私に不満ありありの母のため息が聞こえた。

だけど、やっぱり東方新聞記者の話が気になる。

私は小さくごめんと呟いて電話を切った。

もう午後21時を回っていたけれど、真知さんにそのまま電話を入れる。

真知さんはなかなか電話に出てくれなかった。

一旦切ろうと思った時「はい?友梨ちゃん?」という真知さんの澄んだ高い声が耳に聞こえた。

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