そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
真知さんの声が聞こえると、ホッとしたと同時に胸騒ぎの原因がわかるかもしれない緊張感に背筋を伸ばす。

突然の電話を侘びた後、母から聞いた妙な話を手短に真知さんに伝えた。

しばらくの沈黙。

何かを思い出そうとしているような、真知さんの「うーん」っていう唸り声が聞こえる。

「編集部っていっても、新聞と雑誌関係とでは全ての情報を共有していないのよねぇ。私も気になるからリサーチしてみる。何かわかったら連絡するね。それにしても妙よねぇ、どうして友梨ちゃんのことなんか嗅ぎ回すようなことしてるのかしら」

「ですよねぇ。私はそんな有名人じゃないし」

「有名人と知り合いとか?何か変な事件に絡んでるとか?そんなことくらいしかあり得ないことだもの。って、もしかして友梨ちゃん、私に隠し事してないわよね」

「隠し事?えー、ないですよ」

と言いながら、東條さんのことは誰にも話してないなと思う。

今となっては、東條さんとは無関係だけれど。

「そういえば、私の知らない間に東條GMとえらく親しくなってたみたいだけど、まさか、変な関係になってるとかないでしょうね?彼は相当有名人だから、何かあれば間違いなくそばにいる人間に探り入れるわよ」

「え」

真知さんの口から東條さんの名前が出て、思わず唾をゴクンと飲み込んだ。
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