そばにいさせて～クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
その男性は、紛れもなく一ヶ月前私達の前から姿を消した柳本さんだった。

柳本さんはキッと編集部達をにらみ言った。

「僕のフィアンセの友梨が何か？」

「フィアンセ、ですか？」

編集部の二人は戸惑った様子で顔を見合わせ首を傾げている。

一体、これはどういうことなんだろう。

私も編集部の二人と同じくらい戸惑っていたけれど、きっと何か意味があるんだと思い必死に柳本さんの話に合わせた。

「それでは、岩倉さんにはフィアンセがいるということでしょうか？それはいつからのお付き合いですか？」

編集部の一人が、慌てた様子で尋ねる。

すると、柳本さんが冷ややかな目を向け普段聞いたことがないくらいの低音で言った。

「赤の他人のあなたにそんな個人的なことをお話する必要はありません。これ以上、詮索されるのであればこちらもそれなりの対応をさせて頂きますがよろしいですか？」

編集部の二人は顔を見合わせると、私達に頭を下げ逃げるようにその場を立ち去った。

完全に二人が見えなくなると、柳本さんは目頭を押さえて「ふぅー」と長めの息を吐いた。

「ありがとうございました」

突然現れ助けてくれた柳本さんに頭を下げる。

「久しぶりだね。元気だった？」

ようやく私に顔を向けた柳本さんは以前のように涼やかな目で微笑んだ。

でも心なしか頬がやつれている。

やはり東條さんとのことがあったからだろうか。

「あの、どうして？」

どこからどう話していいかわらからず、うつむいたまま尋ねてみる。

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