そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
柳本さんから、今日の話は誰にも言わないようにすること、東條さんとは何も関係がないということにすること、そして今フィアンセは柳本さんということにしておくことを再度確認され、店の前で別れた。

まだ足が僅かに震えている。

記憶の糸が過去を鮮明なものへ少しずつ紡いでいく。

あの声、あの香り、東條さんと似ている。

だけど、あの日のことは半分記憶から消し去った出来事だからそれも断言できないのがくやしい。

右腕の火傷がどうしてできたのか知りたくて東條さんに電話をかけてみるも、当然ながら繋がらなかった。

きっと柳本さんとは別の電話番号で繋がっているんだろう。

今すぐにでも会いたい。

火傷の傷の痛みをこらえながら、いつも私を支えてくれていたの?

あの日助けたのが私だって知っていたの?

どうして、何も言ってくれなかったの・・・・・・。

とにかく、確かめなくちゃ。

母さんが来月、私を助けてくれた人を見たっていう人が来店すると言ってた。

東京でもっと早く会えないか相談してみよう。

その人がどこまで彼のことを記憶しているのかはわからないけれど、今はその人だけが手がかりなんだもの。

そして、もし本当に私を助け出してくれた人が東條さんだったら・・・・・・。

私は絶対に東條さんをこの今の状況から助けたい。

命がけで守ってくれた彼のために、私も命がけで彼を守りたかった。

こんなこと言ったら、きっと東條さんはお前に何ができるっていうんだって笑うかもしれない。

だけど、このままここで待ってるだけなんて。

ただ助けてもらうのを待ってるだけなんてできない。
したくない。

私は家に帰ると、母に電話を入れた。
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