そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
16.会いたくて
16.会いたくて
私の電話にただ事ではない雰囲気を察したのか、母は例の人にすぐに連絡をとってくれた。
その人は都心からは少し離れた場所に運送会社を構える社長で名前は植村さんというらしい。
年齢は母よりも少し上で55歳。
私の父がいたら丁度これくらいの年齢なんだろうなんだろうかと思いながら、初めて会う植村社長との待ち合わせに少し緊張している、
日曜の昼下がり。
街は若いカップルや大学生達であふれている。
寒い冬なんて彼らには関係ないのか、皆表情は明るくのびやかで、私もかつてはこんな風に悩み事もなく笑っていたんだろうなと思う。
待ち合わせ場所は駅の改札前。
母が植村さんはとても優しい紳士だから何も心配はいらないと言っていた。
改札前でしばらく待っていると、一人の小柄な男性が近づいてきた。
丸顔の男性はきれいに横分けされた白髪にスーツの上から品のいいダウンジャケットを羽織っている。
「こんにちわ。岩倉友梨さんかな?」
その男性はにこやかに私に話し掛けてきた。
「植村社長ですか?初めまして、岩倉です」
私は慌てて頭を下げる。
「いやー、大きくなったねぇ。ますますお母さんに似てきてべっぴんさんだ」
植村さんは笑顔で何度も頷いた。
私とは初対面じゃないの?
植村さんは昔からの常連客で、私が小学生の頃店でお手伝いしていた頃から知っているらしかった。
自分の幼い頃を知ってくれてる人と東京の街で会ってることに不思議な感覚になる。
お昼ご飯は、植村さんが行きつけの洋食屋さんに連れていってくれた。
昔ながらの洋食屋で赤煉瓦造りの店舗も、店内に灯されたランプで煉瓦の壁が揺らめく雰囲気も現代にはない風情がある。
植村さんはポークチャップ定食、私は蟹クリームコロッケ定食を頼んだ。
定食といっても、オリジナルスープやサラダ、デザート、コーヒーまでつくボリュームたっぷりの高級定食だ。
蟹クリームコロッケのホワイトソースは味わい深く、かじると蟹の香りが口いっぱいに広がる。
「おいしいです」
そう言うと、植村さんは嬉しそうに笑った。
「鮮魚いわくらもなかなかだけど、この洋食屋もいけるだろう?」
私は大きく頷き、スープを口に運んだ。
私の電話にただ事ではない雰囲気を察したのか、母は例の人にすぐに連絡をとってくれた。
その人は都心からは少し離れた場所に運送会社を構える社長で名前は植村さんというらしい。
年齢は母よりも少し上で55歳。
私の父がいたら丁度これくらいの年齢なんだろうなんだろうかと思いながら、初めて会う植村社長との待ち合わせに少し緊張している、
日曜の昼下がり。
街は若いカップルや大学生達であふれている。
寒い冬なんて彼らには関係ないのか、皆表情は明るくのびやかで、私もかつてはこんな風に悩み事もなく笑っていたんだろうなと思う。
待ち合わせ場所は駅の改札前。
母が植村さんはとても優しい紳士だから何も心配はいらないと言っていた。
改札前でしばらく待っていると、一人の小柄な男性が近づいてきた。
丸顔の男性はきれいに横分けされた白髪にスーツの上から品のいいダウンジャケットを羽織っている。
「こんにちわ。岩倉友梨さんかな?」
その男性はにこやかに私に話し掛けてきた。
「植村社長ですか?初めまして、岩倉です」
私は慌てて頭を下げる。
「いやー、大きくなったねぇ。ますますお母さんに似てきてべっぴんさんだ」
植村さんは笑顔で何度も頷いた。
私とは初対面じゃないの?
植村さんは昔からの常連客で、私が小学生の頃店でお手伝いしていた頃から知っているらしかった。
自分の幼い頃を知ってくれてる人と東京の街で会ってることに不思議な感覚になる。
お昼ご飯は、植村さんが行きつけの洋食屋さんに連れていってくれた。
昔ながらの洋食屋で赤煉瓦造りの店舗も、店内に灯されたランプで煉瓦の壁が揺らめく雰囲気も現代にはない風情がある。
植村さんはポークチャップ定食、私は蟹クリームコロッケ定食を頼んだ。
定食といっても、オリジナルスープやサラダ、デザート、コーヒーまでつくボリュームたっぷりの高級定食だ。
蟹クリームコロッケのホワイトソースは味わい深く、かじると蟹の香りが口いっぱいに広がる。
「おいしいです」
そう言うと、植村さんは嬉しそうに笑った。
「鮮魚いわくらもなかなかだけど、この洋食屋もいけるだろう?」
私は大きく頷き、スープを口に運んだ。