そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
植村さんと談笑しながらおいしいお料理を食べていると、少しずつ緊張もほぐれていく。
なんとなく本題に入ることをためらっていたら、植村さんの方から切り出した。
「5年前の火事のこと、話しても大丈夫かな」
「時々、思い出すこともありますが大丈夫です」
私を気遣ってくれる植村さんの優しさに温かい気持ちになる。
「あの日、燃えさかる火の海から、友梨さんを抱き上げて出て来た男性を見て本当に驚いたよ。助けに行くには、誰が見ても命を張ってでないと到底無理な状況の中だったからね」
植村さんはコーヒーを飲みながら、ゆっくりと話始めた。
「気を失っていた友梨ちゃんを消防士が用意していたタオルに寝かせ、『必ず助けて下さい』と言い残して、すぐにその場を去っていった。名前くらい聞けばよかったと未だに後悔しているよ。彼の服装はネクタイこそ外していたがワイシャツとスーツのズボンをはいていたと記憶している。サラリーマン風の出で立ちで、とても背の高い男性だった。暗がりではっきりとは見えなかったが端整な顔立ちだったよ」
「その男性は右腕に火傷を負っていたと兄から聞いたんですが」
「ああ、そうだった。確か右腕でかなり広範囲に火傷を負っていた。ワイシャツは焦げてその中の彼の腕に血がにじんでいたからね。火傷の応急処置だけでもすぐに受ければよかったのに、引き留める間もなく彼はすぐに路駐していた車に乗って帰ってしまったんだ」
植村さんの話からその情景が手に取るように浮かんでくる。
右腕の火傷は間違いない。
それも相当にひどい火傷だったんだ。
今もまだ尚痛み、治療を受けなくてはならないほどに・・・・・・。
なんとなく本題に入ることをためらっていたら、植村さんの方から切り出した。
「5年前の火事のこと、話しても大丈夫かな」
「時々、思い出すこともありますが大丈夫です」
私を気遣ってくれる植村さんの優しさに温かい気持ちになる。
「あの日、燃えさかる火の海から、友梨さんを抱き上げて出て来た男性を見て本当に驚いたよ。助けに行くには、誰が見ても命を張ってでないと到底無理な状況の中だったからね」
植村さんはコーヒーを飲みながら、ゆっくりと話始めた。
「気を失っていた友梨ちゃんを消防士が用意していたタオルに寝かせ、『必ず助けて下さい』と言い残して、すぐにその場を去っていった。名前くらい聞けばよかったと未だに後悔しているよ。彼の服装はネクタイこそ外していたがワイシャツとスーツのズボンをはいていたと記憶している。サラリーマン風の出で立ちで、とても背の高い男性だった。暗がりではっきりとは見えなかったが端整な顔立ちだったよ」
「その男性は右腕に火傷を負っていたと兄から聞いたんですが」
「ああ、そうだった。確か右腕でかなり広範囲に火傷を負っていた。ワイシャツは焦げてその中の彼の腕に血がにじんでいたからね。火傷の応急処置だけでもすぐに受ければよかったのに、引き留める間もなく彼はすぐに路駐していた車に乗って帰ってしまったんだ」
植村さんの話からその情景が手に取るように浮かんでくる。
右腕の火傷は間違いない。
それも相当にひどい火傷だったんだ。
今もまだ尚痛み、治療を受けなくてはならないほどに・・・・・・。