そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「上司にも早く返事するようにせっつかれていて。早速これから出社して伝えます」

東條さんはそう言った私を見つめながら頷いた。

「フランスに発つ前に、友梨の家族に俺たちの結婚のこと許してもらわなければならないな」

って、もうそんなに時間もないんですけど!

祖父や母はそんな簡単に許してくれるのかしら。

急に不安で胸が押しつぶされそうになりうつむいた。

「なんだ、そんな不安そうな顔して」

東條さんはくすっと笑う。

「反対されたら許してもらえるまで何度も頭を下げにいくまでだ」

そう言うと彼はそっと私に顔を近づけ続けた。

「君がそうしてくれたように、俺もどんなことがあったって友梨をあきらめない」

優しい眼差しでそんなこと言われたら泣きそうになる。

あきらめない気持ちは、私じゃなくて東條さんと出会えたからなし得た勇気。

彼に微笑み返すと言った。

「二人がいたらこわいものなしですね」

「全くその通りだな」

東條さんはそう言って笑い、私をその胸にぎゅっと抱き締めた。

これを幸せっていうんだろうか。

彼がそばにいれば何も怖くない。

今まで自分一人では足踏みしていたことも、前に出る勇気や希望が自然と沸いて出てくる。

「東條GM!」

その時、エレベーターホールから彼を呼ぶ声が響いた。
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