そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
20.第二章
20.第二章


フランスから日本に到着し、空港からそのまま会社に直行した。

一年ぶりの仕事場の空気はとても新鮮な気がする。

たった一年離れていただけなのに、新鮮以上に全く知らない場所に来たみたいな感覚。

すっかりフランスの香水まみれの生活に鼻が慣れてしまったせいか、日本の匂いはとても爽やかで懐かしい。

フロアに入るとすぐにスーツケースをデスク横に置き、松原マネージャーの下に急ぐ。

「マネージャー、1年間ありがとうございました。今戻りました」

マネージャーは手元の資料から顔を上げると、私を見てにっこり微笑む。

「おかえりなさい、岩倉さん。フランスはどうだった?」

「はい、全てが刺激的で、日本ではできない学びがたくさんありました」

「そう、よかった。とりあえず今日は疲れてるだろうからこのまま帰りなさい。またフランスでの話はゆっくり社員達に報告してもらう機会を設けるから。ほら、向こうであなたの帰りを首を長くして待ってた人がいるわ」

松原さんは私の背後に視線を向けると、くすっと笑った。

視線の方を振り返ると、香織が目をキラキラさせて私のデスクの前で待機している。

私はそんな子犬みたいな表情の香織に笑顔で手を振りながら近づいていった。

それを合図のように、香織は私に飛び付いてくる。

「おかえり!今か今かと待ってたわ!」

香織の髪の色が以前よりも明るくなったなと感じながら、彼女を優しくハグした。

「結局フランスに遊びに来なかったよねぇ。待ってたのに」

「だってぇ」

香織は私から体を離し口を尖らせて続ける。

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