そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「もう!突然びっくりしたよ」
部屋の扉を閉まったのを確認して香織にとりあえず言ってみたけれど、きっと彼の話を一刻も早く聞いてもらいたかっただけということはわかっていた。
そのまま長机に持たれて腕を組むと彼女に顔を向け尋ねる。
「で、どうして別れたの?」
「好きになっちゃったの。衝撃的一目惚れ」
「全然意味がわからないんですけど。ちゃんと順を追って説明して」
香織は、これまた珍しく下ろしている髪を掻き上げもせず私の目をくいっとにらむように見つめ返す。
「昨日、彼と会う前に時間つぶしによった本屋さんで出会っちゃったの」
「彼以上の誰かにってこと?」
感性で生きている香織の言ってることは時々かなりの読解力を必要とする。
こくんと頷いた彼女の目は完全にその新しい誰かを思って潤んでいた。
こんなにもすぐに誰かに気持ちを揺さぶられる香織がある意味羨ましい。
「最近私料理に凝ってるじゃない?で、料理本のコーナーで本を探していたら、丁度欲しかった本を見つけたんだけど、高い位置にあって背伸びしてもなかなか手が届かなかったの。そしたら、急に横からすっとその本を取った人がいて『どうぞ』って私に手渡してくれた。その人の優しい笑顔見た時、一瞬で心を持っていかれちゃったわ」
「なんだかドラマみたいな展開だね。そんな笑顔一つで好きになれるものなの?彼と別れるくらい?」
「それがそんじょそこらのイケメンじゃないの。サラサラの前髪が少しだけ目元にかかってるんだけど、その目もびっくりするくらいきれいで、鼻も口も一般人とは思えないくらいに整ってる。それに、あの笑顔!あんな優しい顔で微笑む男性は見たことがないわ!もう、思い出しただけで体中が震える。これはきっと出会うべき相手だったのよ」
香織は興奮気味に遠くを見つめながら一気に話した。
はぁ。こりゃ相当重症だなぁと思いながら軽く息を吐き苦笑する。
これまでも彼女の一目惚れ話は嫌というほど聞かされてきたけれど、きっと彼女の好みが今までになくドンピシャだったんだろう。
だって、その後すぐに彼と別れるくらいなんだから。
「で、その男性は一体どういう人なの?」
「知らない」
「知らない?」
「だって、本を手渡された後、すぐにどこかへ行っちゃったんだもん」
「え?それじゃ、どこの誰だかもわからない相手に恋して彼と別れたの?」
「そうよ」
私は頭を抱えてうなだれた。
「念のためもう一度確認するけど、二度と出会えないかもしれないそんな人に恋しちゃったってわけね?」
「二度と会えないかどうかはわからない。だけど、きっと会えるわ。毎日あの本屋に通えばきっといつか会えると思う」
「執念だね」
「そうよ、執念ってまんざらでもないのよ」
香織はにやっと意味ありげに笑った。
部屋の扉を閉まったのを確認して香織にとりあえず言ってみたけれど、きっと彼の話を一刻も早く聞いてもらいたかっただけということはわかっていた。
そのまま長机に持たれて腕を組むと彼女に顔を向け尋ねる。
「で、どうして別れたの?」
「好きになっちゃったの。衝撃的一目惚れ」
「全然意味がわからないんですけど。ちゃんと順を追って説明して」
香織は、これまた珍しく下ろしている髪を掻き上げもせず私の目をくいっとにらむように見つめ返す。
「昨日、彼と会う前に時間つぶしによった本屋さんで出会っちゃったの」
「彼以上の誰かにってこと?」
感性で生きている香織の言ってることは時々かなりの読解力を必要とする。
こくんと頷いた彼女の目は完全にその新しい誰かを思って潤んでいた。
こんなにもすぐに誰かに気持ちを揺さぶられる香織がある意味羨ましい。
「最近私料理に凝ってるじゃない?で、料理本のコーナーで本を探していたら、丁度欲しかった本を見つけたんだけど、高い位置にあって背伸びしてもなかなか手が届かなかったの。そしたら、急に横からすっとその本を取った人がいて『どうぞ』って私に手渡してくれた。その人の優しい笑顔見た時、一瞬で心を持っていかれちゃったわ」
「なんだかドラマみたいな展開だね。そんな笑顔一つで好きになれるものなの?彼と別れるくらい?」
「それがそんじょそこらのイケメンじゃないの。サラサラの前髪が少しだけ目元にかかってるんだけど、その目もびっくりするくらいきれいで、鼻も口も一般人とは思えないくらいに整ってる。それに、あの笑顔!あんな優しい顔で微笑む男性は見たことがないわ!もう、思い出しただけで体中が震える。これはきっと出会うべき相手だったのよ」
香織は興奮気味に遠くを見つめながら一気に話した。
はぁ。こりゃ相当重症だなぁと思いながら軽く息を吐き苦笑する。
これまでも彼女の一目惚れ話は嫌というほど聞かされてきたけれど、きっと彼女の好みが今までになくドンピシャだったんだろう。
だって、その後すぐに彼と別れるくらいなんだから。
「で、その男性は一体どういう人なの?」
「知らない」
「知らない?」
「だって、本を手渡された後、すぐにどこかへ行っちゃったんだもん」
「え?それじゃ、どこの誰だかもわからない相手に恋して彼と別れたの?」
「そうよ」
私は頭を抱えてうなだれた。
「念のためもう一度確認するけど、二度と出会えないかもしれないそんな人に恋しちゃったってわけね?」
「二度と会えないかどうかはわからない。だけど、きっと会えるわ。毎日あの本屋に通えばきっといつか会えると思う」
「執念だね」
「そうよ、執念ってまんざらでもないのよ」
香織はにやっと意味ありげに笑った。