そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
案の定彼からの電話だった。
『友梨?』
少し遠い電話に嫌な予感がして、思わず尋ねる。
「今どちらですか?」
『実は夕方着便に間に合わなくてね。急にこちらでシェアハウス用のいい物件が何軒か出て視察に回っていたんだ』
彼に聞こえないように小さくため息をついた。
『ごめん。今日は帰れなくなった。明日の朝一の便には必ず乗るから』
言葉が出てこない。
作りかけのハンバーグが皿の上に中途半端に並んでいる。
楽しみにしていたのに。
しょうがないってことは頭ではわかってるのに、どうしたって自分の気持ちがついてこなかった。
「大丈夫です。でも、明日は私はいません」
気付いたらそんなことを言っていた。
『いないってどういうことだ?』
「明日は、香織の家に泊まりにいく約束してるんです。だからいません」
『断れないのか?』
「断れません」
しばらくの沈黙が受話器の向こうで続いていた。
『わかった。明後日友梨の顔見れるのを楽しみにしているよ』
怒られるかと思ったのに、東條さんの声はとても穏やかで優しく私の胸に響く。
ずるい。
そんなところもずるい。
全て、彼の手のひらの上。
そんな風にひねくれたことを考えてしまう。
近づけば近づくほど、彼のことをわかればわかるほど素直になれない自分。
「・・・・・・ごめんなさい。香織の家に泊まるなんて嘘です」
『ああ、知ってる』
ああ。
また私の完敗。
きっと電話の向こうで彼は余裕の笑みで私の心を全て読んでるかと思うと情けない気持ちになった。
『友梨?』
少し遠い電話に嫌な予感がして、思わず尋ねる。
「今どちらですか?」
『実は夕方着便に間に合わなくてね。急にこちらでシェアハウス用のいい物件が何軒か出て視察に回っていたんだ』
彼に聞こえないように小さくため息をついた。
『ごめん。今日は帰れなくなった。明日の朝一の便には必ず乗るから』
言葉が出てこない。
作りかけのハンバーグが皿の上に中途半端に並んでいる。
楽しみにしていたのに。
しょうがないってことは頭ではわかってるのに、どうしたって自分の気持ちがついてこなかった。
「大丈夫です。でも、明日は私はいません」
気付いたらそんなことを言っていた。
『いないってどういうことだ?』
「明日は、香織の家に泊まりにいく約束してるんです。だからいません」
『断れないのか?』
「断れません」
しばらくの沈黙が受話器の向こうで続いていた。
『わかった。明後日友梨の顔見れるのを楽しみにしているよ』
怒られるかと思ったのに、東條さんの声はとても穏やかで優しく私の胸に響く。
ずるい。
そんなところもずるい。
全て、彼の手のひらの上。
そんな風にひねくれたことを考えてしまう。
近づけば近づくほど、彼のことをわかればわかるほど素直になれない自分。
「・・・・・・ごめんなさい。香織の家に泊まるなんて嘘です」
『ああ、知ってる』
ああ。
また私の完敗。
きっと電話の向こうで彼は余裕の笑みで私の心を全て読んでるかと思うと情けない気持ちになった。