そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
執念か。
どこの誰かもわからない、二度と会えない誰かに恋をする。
組んでいた腕をほどき、彼女の肩に手を置いた。
「わかったよ。それだけの執念があればきっとまたどこかで出会えるよ。その時はちゃんと名前と連絡先聞いてね」
「もちろん!」
彼女はどこから来るのか自信満々の笑顔で頷いた。
きっと香織はまたその恋を成就させるんだろうなと頭のどこかで感じている。
私にもそこまでの自信と執念があればよかったのかな。
5年前のあの日。
私を火の中から助け出してくれた誰かに密かに恋をしている自分がいる。
それが恋なのかってあらためて問われると恋っていう単純な言葉で表現できるものではないかもしれない。
ただ、私の命を救ってくれ、あの日必死に私に「あきらめるな」と声をかけてくれた彼に一目会いたかった。
だけど、そんな彼の手がかりは微かに鼻孔をかすめた甘いムスクの香りと、力強い熱くて大きな私の腕を掴む手の感触だけ。
どうして、見ず知らずの私を自分の命も省みず助けて、そのまま誰にも自分の存在を知らせないまま去ってしまったのか。
そんな謎だらけの彼のことを考えると胸が苦しくなった。
ちゃんとした恋愛をしたことがない私にはその気持ちが恋なのかわからないけれど、きっと皆が言う「きゅん」とした気持ちに近いものなんだと感じている。
一体、彼はどこにいるんだろう。
この広い世界のどこかできっと私と同じ空気を吸って歩いてる。
ひょっとしたら、気付かないところですれ違っているかもしれない。
どこの誰かもわからない、二度と会えない誰かに恋をする。
組んでいた腕をほどき、彼女の肩に手を置いた。
「わかったよ。それだけの執念があればきっとまたどこかで出会えるよ。その時はちゃんと名前と連絡先聞いてね」
「もちろん!」
彼女はどこから来るのか自信満々の笑顔で頷いた。
きっと香織はまたその恋を成就させるんだろうなと頭のどこかで感じている。
私にもそこまでの自信と執念があればよかったのかな。
5年前のあの日。
私を火の中から助け出してくれた誰かに密かに恋をしている自分がいる。
それが恋なのかってあらためて問われると恋っていう単純な言葉で表現できるものではないかもしれない。
ただ、私の命を救ってくれ、あの日必死に私に「あきらめるな」と声をかけてくれた彼に一目会いたかった。
だけど、そんな彼の手がかりは微かに鼻孔をかすめた甘いムスクの香りと、力強い熱くて大きな私の腕を掴む手の感触だけ。
どうして、見ず知らずの私を自分の命も省みず助けて、そのまま誰にも自分の存在を知らせないまま去ってしまったのか。
そんな謎だらけの彼のことを考えると胸が苦しくなった。
ちゃんとした恋愛をしたことがない私にはその気持ちが恋なのかわからないけれど、きっと皆が言う「きゅん」とした気持ちに近いものなんだと感じている。
一体、彼はどこにいるんだろう。
この広い世界のどこかできっと私と同じ空気を吸って歩いてる。
ひょっとしたら、気付かないところですれ違っているかもしれない。