そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
普段よりも緊張がほぐれた表情で笑う柳本さんが足を組んでそこに座っていた。

「あの・・・・・・」

そんな柳本さんの顔を首を傾げて見つめると、彼はプッと噴き出した。

「ほんと、岩倉さんってかわいい。だから大智も思わず言っちゃったんだろ?お嬢ちゃん、なんて」

柳本さんまで何を言い出しているんだろう。

私は今この場所で、どうしてこの二人にこんなにも翻弄されなくちゃならないの?

半分頭の中がパニックに陥っている。

くすくす笑う柳本さんと憮然と運転するGMの顔を交互に眺めながら必死にこの状況を理解しようと努めるもまるでわからない。

「申し訳ありません、岩倉さん。実は大智と僕は大学時代に留学先で知り合ってからずっと気の置けない友人なんです。大智は僕よりも三つ上なんですけどね、普段はこうやってため口叩かせてもらっていて、驚いたでしょう?」

戸惑っている私を見かねたのか、柔和な微笑みをたたえたまま、柳本さんは優しい声で教えてくれた。

「そうだったんですね。急に柳本さんがGMに対して親しげに話し出したから驚いちゃいました」

私はようやく二人の関係性に納得して前を向いた。

とはいえ、柳本さんが言った「大智も思わず言っちゃったんだろう?お嬢ちゃん、って」っていう言葉はひっかかるんだけど。

そこはスルーしておいた方がいいような気がして忘れることにする。

「翼、余計なことはあまり言うな」

隣でGMがバッグミラー越しに柳本さんを軽くにらんで言った。
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