そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「おはようございます!今日も相変わらず肌つやよくて素敵ですね」

「そう?いつも通りよ。三十路にもなれば化粧も明るめにしないとくすんで仕方ないの」

そう言いながらコーヒーカップを口につけた。

真知さんは背が高くてスレンダー。
知性の感じる広い額にふわっとかかる前髪はエレガントでとても真似できない大人の美しさが漂っている。

きれいにブローされた髪は彼女の色気を封じ込めるかのように敢えて後ろにきゅっと結び、いつも動きやすいパンツスタイルに合わせるベージュのトレンチコートがよく似合っていた。

真知さんはカップを持ったまま私の方へ近づいてくる。

「今日もメールチェックかなにか?」

「はい、週明けはメールがたまってしょうがないんですよね。午前中に目を通して返信しなくちゃ」

「メールってほとんどが海外からでしょう?全部英語?」

「ええ、大抵は英語ですね」

「ふわー、英語のメールなんか見てるだけで目眩しそう。私はやっぱり日本語がいいわ」

「私だって日本語の方がいいですよ。仕事柄しょうがないだけで」

私は首をすくめておどけた調子で笑った。

「じゃ、がんばっていってらっしゃい。私もこのコーヒー飲んだらワークスペースに上がるわ」

真知さんは私の肩を軽く叩くと、ひらひらと手を振りまたカフェカウンターに戻っていく。

私はそんな彼女の後ろ姿を見送ると、ノートパソコンの入ったバッグを胸に抱えワークスペースのある二階に駆け上がっていった。


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