そばにいさせて～クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
そして先に椅子に腰をかけると、前を向いたまま言った。

「似合うじゃないか」

GMは前髪を掻き上げると、ようやく私に視線を向けた。

きれいな瞳で私の姿を見つめるGMのことを見ていたら胸が張り裂けそうになる。

「あ、ありがとうございました」

私は震える胸を押さえたままペコリと頭を下げる。

「お腹ぺこぺこだ。君も早く座って」

「は、はい！」

ドキドキしながら、GMの正面に座った。

テーブルにはたくさんの贅沢な朝食メニューが並んでいる。

ハム、チーズ、サラダ、ベーコンエッグ、ソーセージ。

大きなコーヒーポットとティポットも置かれていて自由に飲めるようになっていた。

「いただきます」

目の前にしたら一気にお腹が空いてきたので、遠慮なくいただく事にする。

GMもお腹が空いていたのか黙々とおいしそうに目の前の料理を平らげていった。

「ここの朝食の焼きたてパンは何度食べてもうまい」

一服ついた時、GMは椅子にもたれてそう言った。

「本当においしいです。昨晩から贅沢三昧で罰があたりそう」

そう答えると、三個目のクロワッサンに手を伸ばした。

GMはそんな私を見てくすっと笑う。

「本当にお前はよく食べるよな。食べっぷりがいい女性は好きだよ。見ていて気持ちがいい」

穏やかに微笑むGMを見て、なんだか私まで嬉しくなる。

さっきの寂しそうなGMよりこっちの方がいい。

「実家が鮮魚のお食事処を経営していたからでしょうか。食べるのは大好きなんです」

「鮮魚のお食事処？今もやってるのか？」

「はい、『鮮魚いわくら』っていうお店で、５年前に火事で一旦辞めてたんですけど、２年前に再建してまた小規模ながら再開したんです」

紅茶を飲みながら、GMの顔をちらっと見ると黙ったまま何かを考えるような目をして手に持っているコーヒーカップに視線を落としていた。


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