そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「東條GM?」

思わずそんな彼に声をかける。

その声に反応するかのように「ああ」と顔を上げた。

「すまない・・・・・・。そうだ、今日は岩倉さんは何か予定ある?」

「いえ、別にこれといって」

週末の予定なんて、ほとんど入ることはなかった。

大抵疲れ果てて昼まで寝て、図書館で本を借りてくるか、家で映画を観るくらいで。

よく考えたら20代の週末、無駄に過ごしてきたなと思い、首をすくめて息を短く吐いた。

「今日は俺も久々に丸一日フリーでね。気晴らしに出かけようと思ってるんだ。一人で行くのも味気ないし、一緒にどうかと思うんだが」

「いいんですか?」

思わず驚いて立ち上がってしまう。

GMは口もとに手をやり笑いを堪えながら答える。

「もちろんだ。昨日から君には失礼なことばかりしてるしね。お詫びも兼ねて」

失礼なことね、確かに。

だけど、こんな有名で素敵なGMと一日デートなんて、まさに一生に一度の経験かもしれない。

「よろしくお願いします!」

私が思わずにんまり笑って頭を下げると、GMはそのまま大きな声で笑い出した。

うわ。

GMがこんなに笑ってるの初めて見た。

「君ってほんとおもしろい人だ」

目を潤ませて笑うGMを見ていたらなんだか私までおかしくなってきて、GMと目が合った途端一緒になって笑い出してしまった。

まさかこんな展開が待ってるなんて。

昨日、食事会に行くまでは思いもしなかったのに。



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