そばにいさせて～クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
｢それにしても急だったわね。いつも帰る時は事前に連絡があるのに｣

母は、普段と違う私の服装をまじまじと眺めながらお茶をすする。

｢たまにはね。突然帰ってきて皆を驚かせようと思ったの｣

私の隙を見つけようと必死に探る母の目をくらますべく、平静を装いながら答えた。

GMに送ってもらったってことは、何となく言わない方がいいような気がして。

「そう？確かに驚いたけど」

「そうでしょう？」

私は訝しげに見ている母の肩を叩きながら笑った。

「それはそうと、お兄ちゃん結婚するんだって？」

「あら、もう友梨の耳に入ってるの？」

まだ私を詮索する気満々だった母は半ばあきらめたようなため息を一つつくと、椅子に深く座り直しカウンターに肘をついた。そんな母にホッとして、湯飲みを手に母の方に体を向ける。

「この間、お兄ちゃんと会ってね。そんな話急に切り出されたもんだから私もびっくりしちゃって」

「ほんと、お母さんも驚いたわ。あまり浮いた話がなかったもんだから、もう一生一人で生きていく覚悟でもしてるのかと思ってた」

「しかも彼女は弁護士秘書さんなんだって？そんなハイクラスの女性とよくも知り合えたものだわ」

「っていうより、お母さんからしたら、そんな高尚な女性によく相手にしてもらえたもんだわって思ったけどね」

「お母さん、ひどいなぁ」

私は真顔でそんな冗談を飛ばす、昔から変わらない母に噴き出す。
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