そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「どんな人かっていうのはそのお客さんは何か言ってなかった?少しでもヒントになるようなことがあればいいんだけど」
ドキドキする気持ちを必死に抑えながら平静を装って尋ねる。
「東京で会った時は、とにかく背が高くて立派な身なりをしていたっていってたよ。そのおやじが言うには、最近雑誌かテレビだかどこかで見たことあるような顔だってさ。そんな有名人なわけないだろって。いい加減なもんだよ」
祖父が調理場で魚をさばきながら口をはさんできた。
「おやじさんももう年だからな。本当に火事の現場で友梨を助けた人と同一人物かどうかは怪しいもんだ」
少し投げやりな感じで言った祖父は水場で手を洗いながら、私の様子を伺うようにちらっと視線を向けた。
「でも、おやじさんっていったってお爺ちゃんよりはずっと若いわよ。確かどこかの社長さんでしょう?そんないい加減な話する人じゃないと思うけど」
母がそんな祖父を諫める。
あの火事は今もまだ祖父の心にも傷となっているんだろう。その話題になるといつも苛立った様子になる。
「ああ、確か小さな運送会社の社長だったかねぇ。おやじさんにもあの時は色々力になってもらったな」
祖父はふぅっと短く息を吐くと、腰に付けたタオルで手を拭いた。
「ほんとにそうよ。お爺ちゃん、そんなこと言っちゃだめだよ」
私も祖父を優しくなだめる。
火事の後、たくさんのお客さんに助けられてこの店が再建できたことは、母から何度も聞いていたから。
ドキドキする気持ちを必死に抑えながら平静を装って尋ねる。
「東京で会った時は、とにかく背が高くて立派な身なりをしていたっていってたよ。そのおやじが言うには、最近雑誌かテレビだかどこかで見たことあるような顔だってさ。そんな有名人なわけないだろって。いい加減なもんだよ」
祖父が調理場で魚をさばきながら口をはさんできた。
「おやじさんももう年だからな。本当に火事の現場で友梨を助けた人と同一人物かどうかは怪しいもんだ」
少し投げやりな感じで言った祖父は水場で手を洗いながら、私の様子を伺うようにちらっと視線を向けた。
「でも、おやじさんっていったってお爺ちゃんよりはずっと若いわよ。確かどこかの社長さんでしょう?そんないい加減な話する人じゃないと思うけど」
母がそんな祖父を諫める。
あの火事は今もまだ祖父の心にも傷となっているんだろう。その話題になるといつも苛立った様子になる。
「ああ、確か小さな運送会社の社長だったかねぇ。おやじさんにもあの時は色々力になってもらったな」
祖父はふぅっと短く息を吐くと、腰に付けたタオルで手を拭いた。
「ほんとにそうよ。お爺ちゃん、そんなこと言っちゃだめだよ」
私も祖父を優しくなだめる。
火事の後、たくさんのお客さんに助けられてこの店が再建できたことは、母から何度も聞いていたから。