そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
真知さんとの打ち合わせは夕方五時からだったから、とりあえず優先順位の高いメールの翻訳から始める。

うんざりするほど大量のメールが赤く染まっていた。
深呼吸すると、袖をまくって一気に作業に取りかかる。

なんとか午後四時前には全てのメールの翻訳が終わった。

買って来たカフェオレと便せんを持ってソファー席にうつる。

仕事でフル稼働した脳をクールダウンさせるために甘いカフェオレをごくごくと飲んだ。

ふぅ。

便せんを袋から出し、ソファーの前のテーブルに置いた。

【東條GM様
拝啓
先日は色々とご迷惑おかけした上に、素敵な洋服まで頂きありがとうございました。】

うん。
ちょっと堅苦しいと思うけれど、GMに対してのお礼状だもんね。しょうがないか。

【また実家まで送って頂き、本当に恐縮です。今度は是非実家のお料理も召し上がって下さい。祖父の揚げる鮮魚の天ぷらは天下一品です。】

なんだかくだけすぎかな。
でも、これは私の本当の気持ちだから。
お茶も飲まずにさっさと帰ってしまったGMに。

今度・・・・・・もし今度があるなら祖父の天ぷらを食べてもらいたい。

どこの高級料亭にも出せない、温かくて優しい味。
祖父にしか出せない味だと思う。
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