そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
10.信じたい
10.信じたい
真知さんに「もう帰るの?」と声をかけられたけど、まさかGMに車で家まで送ってもらうなんて言えなかった。
私はバッグとコートを抱えたまま、真知さんに曖昧な笑顔を返して会場を後にする。
今日は恐くない。
GMが一緒に帰ってくれるから。
久しぶりに家に帰ることに浮き足立っている自分がいる。
一緒に帰ってくれる人がいるからなのか、GMが送ってくれるからなのか、どちらに気持ちが高ぶっているのかなんてもうどうでもよくなっていた。
ビルの前に見慣れた黒い車が停まっている。
そして、見慣れたと言うのも厚かましい彼のきれいな横顔が見えた。
助手席の扉をノックすると、GMはすぐに扉のロックを解除する。
「今日は、本当にすみません」
「岩倉さんの家はどっち方面?」
「えっと最寄りの駅はM駅になります」
「そうか。じゃ、ここから30分ほどで着くな。また近づいたらナビしてくれ」
「はい」
30分で着いちゃうんだ。
そのことに寂しい気持ちになっている自分がいる。
GMの助手席に乗るなんて、もうないと思ってたのにまた乗ってるのも不思議な気持ち。
そんなGMに対する私の気持ちをどこに持っていけばいいのか今はわからない。
GMみたいな有能で地位のある人、そして女の人をたくさん知ってるような男性は到底私とは不釣り合いだし、私もそんな人なんて決して好きになれないと思ってる。
だけど、何度嫌いになろうと思ってもなれなかった。
むしろ、会えば会うほど気持ちが向いていくことに葛藤が生じていた。
人を好きになることにこんなにも葛藤するなんておかしいよね。
誰かを好きになる気持ちなんて自由なはずなのに。
窓の外に流れるネオン街を複雑な気持ちで眺めていた。
真知さんに「もう帰るの?」と声をかけられたけど、まさかGMに車で家まで送ってもらうなんて言えなかった。
私はバッグとコートを抱えたまま、真知さんに曖昧な笑顔を返して会場を後にする。
今日は恐くない。
GMが一緒に帰ってくれるから。
久しぶりに家に帰ることに浮き足立っている自分がいる。
一緒に帰ってくれる人がいるからなのか、GMが送ってくれるからなのか、どちらに気持ちが高ぶっているのかなんてもうどうでもよくなっていた。
ビルの前に見慣れた黒い車が停まっている。
そして、見慣れたと言うのも厚かましい彼のきれいな横顔が見えた。
助手席の扉をノックすると、GMはすぐに扉のロックを解除する。
「今日は、本当にすみません」
「岩倉さんの家はどっち方面?」
「えっと最寄りの駅はM駅になります」
「そうか。じゃ、ここから30分ほどで着くな。また近づいたらナビしてくれ」
「はい」
30分で着いちゃうんだ。
そのことに寂しい気持ちになっている自分がいる。
GMの助手席に乗るなんて、もうないと思ってたのにまた乗ってるのも不思議な気持ち。
そんなGMに対する私の気持ちをどこに持っていけばいいのか今はわからない。
GMみたいな有能で地位のある人、そして女の人をたくさん知ってるような男性は到底私とは不釣り合いだし、私もそんな人なんて決して好きになれないと思ってる。
だけど、何度嫌いになろうと思ってもなれなかった。
むしろ、会えば会うほど気持ちが向いていくことに葛藤が生じていた。
人を好きになることにこんなにも葛藤するなんておかしいよね。
誰かを好きになる気持ちなんて自由なはずなのに。
窓の外に流れるネオン街を複雑な気持ちで眺めていた。