そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「ご実家の皆さんは元気にされてた?」
前を向いたままふいにGMは尋ねてきた。
「はい、お陰様で。この間は送って頂いてありがとうございました」
そう言ってから、手紙のことを思い出す。
ちゃんと彼に渡っていないような気がして、思い切って聞いてみることにした。
「こんなこと、私から聞くのも何なんですけれど、お手紙は読んで頂けましたか?」
「手紙?」
やっぱり。
明らかにGMはその存在を今初めて聞いたかのような表情をしていた。
「先週、秘書の山村さんにGMにお渡し頂くよう言付けたんですけれど」
「知らないな」
「なかなかお会いできないから、先日のお礼をお手紙にしたんです。読まれてないなら、すっかりお礼が遅くなってしまって申し訳ありません」
「そうだったのか。こちらこそすまない。明日にでも山村に確認しておくよ」
山村さんは私の手紙、まだ持ってくれてるんだろうか。
ま、いっか。
今ちゃんとGMにお礼が言えたし。
車は次第にビジネス街を離れ、住宅街に入っていく。
「確かもうすぐM駅だけど、ここからどういけばいい?」
顔を上げると、もうアパートの近くまで来ていた。
「あ、その角を右にお願いします」
そう言った時、またあの『×』が脳裏に鮮明に浮かび上がる。
自分の呼吸が浅くなっていくのがわかる。
胸の奥の方で「帰りたくない」って自分の声が叫んでいるのが聞こえた。
前を向いたままふいにGMは尋ねてきた。
「はい、お陰様で。この間は送って頂いてありがとうございました」
そう言ってから、手紙のことを思い出す。
ちゃんと彼に渡っていないような気がして、思い切って聞いてみることにした。
「こんなこと、私から聞くのも何なんですけれど、お手紙は読んで頂けましたか?」
「手紙?」
やっぱり。
明らかにGMはその存在を今初めて聞いたかのような表情をしていた。
「先週、秘書の山村さんにGMにお渡し頂くよう言付けたんですけれど」
「知らないな」
「なかなかお会いできないから、先日のお礼をお手紙にしたんです。読まれてないなら、すっかりお礼が遅くなってしまって申し訳ありません」
「そうだったのか。こちらこそすまない。明日にでも山村に確認しておくよ」
山村さんは私の手紙、まだ持ってくれてるんだろうか。
ま、いっか。
今ちゃんとGMにお礼が言えたし。
車は次第にビジネス街を離れ、住宅街に入っていく。
「確かもうすぐM駅だけど、ここからどういけばいい?」
顔を上げると、もうアパートの近くまで来ていた。
「あ、その角を右にお願いします」
そう言った時、またあの『×』が脳裏に鮮明に浮かび上がる。
自分の呼吸が浅くなっていくのがわかる。
胸の奥の方で「帰りたくない」って自分の声が叫んでいるのが聞こえた。